人見知りのキリスト
「ああはなりたくないね。作家のくせにいつもチャラチャラして、まるでスター気取りだ。オードリーはあんなヤツが好きなのか?」



多少の嫉妬が入るのはやむをえない。



「勿論作品よ。SF小説って結構暴力やエッチシーンが多いじゃない、でも龍神さんの小説は透き通ってるって言うの? 何か読んでて安らかな気持ちになるの。まるでお母さんの膝で絵本を読んで聞かされてるみたいに」



――何のことはない、この歳まで暴力や女にほとんど縁がなかっただけのことだ。


とはいえ、自分の作品を褒められて悪い気はしなかった。
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