人見知りのキリスト
第三章 天使と悪魔
俺は大学卒業後も数々の新人賞に応募したが、どれも一次審査すら通らず、不遇の数年間を過ごしていた。
――自分にはやはり才能がないのか……。
半ば諦めかけていた時、その電話はかかってきた。
「おめでとうございます」
コンクールを主催する出版社からの朗報だった。
タイムトラベル小説『霧のトライアングル』が見事大賞を受賞したという知らせだった。
それからと言うもの、俺の生活は一変した。
対外交渉はダミーの龍神に任せ、ひたすら家にこもって原稿を書き続けた。
今でも光山龍神の小説は飛ぶように売れている。
印税収入はヤツと折半していた。
生活には困らない。
ただ、あのバカが調子に乗ってやたら仕事を引き受けてくるおかげで、
こちらは慢性的な睡眠不足に悩まされていた。
――クリスマスも正月も関係なく原稿を書いてるのはこの俺なんだよ!
――自分にはやはり才能がないのか……。
半ば諦めかけていた時、その電話はかかってきた。
「おめでとうございます」
コンクールを主催する出版社からの朗報だった。
タイムトラベル小説『霧のトライアングル』が見事大賞を受賞したという知らせだった。
それからと言うもの、俺の生活は一変した。
対外交渉はダミーの龍神に任せ、ひたすら家にこもって原稿を書き続けた。
今でも光山龍神の小説は飛ぶように売れている。
印税収入はヤツと折半していた。
生活には困らない。
ただ、あのバカが調子に乗ってやたら仕事を引き受けてくるおかげで、
こちらは慢性的な睡眠不足に悩まされていた。
――クリスマスも正月も関係なく原稿を書いてるのはこの俺なんだよ!