人見知りのキリスト
「天使さん、あまり期待を持たせるのは、かえって澄人さんのためになりませんよ」



今度は別の方角から男の声が聞こえてきた。


部屋の一隅に目を向けると、黒づくめの男がしゃがみこんでいる。


ヒョイと立ち上がると、臀部から尻尾らしきものが伸びていた。



「あの……ひょっとして」
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