人見知りのキリスト
慌ててレイバンのサングラスをかけると、俺は床を蹴って椅子から立ち上がった。


縁側のサッシを開くと、起きぬけの体に師走の寒気が突き刺さった。


臆することなく銀世界の庭に降り立ち、20センチほど積もった雪の絨毯を踏みつけていく。


身を切られる寒さとは別のモノが魂の襞をゾロっと舐め上げた瞬間、俺は遮二無二雪をかき集め始めていた。
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