ラヴコリーダ
「いえ、そう言うことを言ってる訳じゃないんです」

そう言ったわたしに、
「俺は近くでタクシーを拾って帰る。

夜道の女の1人歩きは危険だ」

部長は足元のカバンを持って、ドアの方へ向かおうとした。

「ち、違うんです!

部長も泊まって行けばいいと言ってるんです」

ピタリと、それまでテキパキと動作を進めていた部長が止まった。

「…さっきのようなことになるかも知れないのに、か?」

さっきって、部長がバスルームに入る前の出来事?

どう答えていいのかわからなくて、わたしは目を伏せた。
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