☠キス魔バトル☠
「…おバカじゃありません」


“おバカさん”年下にそう言われたことがムカついて、歯を出して『い――だっ!!』そう言ってやった。

だって、新一の方がおバカだもん…。

うちに来るたび私に「この問題の解き方教えて?」そう言ってくるじゃん…。

こんなことを思ってしまう私は馬鹿かもしれない。


新一が頭いいっていってもクラスの中で一番いいだけだからわからないとこだってあるに決まってるのに…。




私って大人げないな……。

なんて自分で仕返ししておいて思ってしまう。


「新一の方が、おバカじゃん…」

ぷぅ~と頬を膨らます。

「ムキになっちゃって」

そう言って、私の膨らんだ頬を、人差し指でツンツンしてきた。

「………」

ムキになっていることがバレテしまった私は、ただただ新一を睨み返すことしかできなかった。

「可愛いっ」

そう言って新一は、私の両頬に手を当ててきた。

「なっ何!?」

どんどん近付いてくる新一の顔。


キス経験がない私にとっては、相手に好意を持ってなくても無意識にドキドキしてしまう……。


ドキドキ……


ドキドキドキドキ……



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