真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
あたしはテニス部のコートに戻ると

何食わぬ顔で、準備体操の輪に加わった。

「遅かったじゃん。」

リカが小声で言う。

「ごめん、ちょっと。」

目を伏せて、あたしも小声で答える。

先輩が機嫌悪そうに、こっちを見ていた。


でも、気にしない。

気にならないほど、あたしの胸の中に

嵐が吹き荒れていた。
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