真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
「そりゃあ、めっちゃカワイイしさあ、
頼りになるっていうかあ?優しいって言うかぁ…」

間延びした言い方が気に触る。

イラっとした気持ちを抑えるように、
あたしはふーん、と相づちをうつ。

「松永くん、その先輩のこと好きなんだ?」

「えぇっ!別に好きとかじゃないよ。」

松永は驚いたように、大げさに両手を

振って見せた。

「マネの先輩はぁ、部員全員の癒やしっていうかさぁ。好きとか、そんなレベルじゃあ…」


「でも、誰かと付き合ってんだよね?

その人。ほら、女子が騒いでる…」

うっとりとした松永の話しの腰を折って

あたしはズバリ本題に入る。


「あぁ、遠野さんのこと?」

松永は少し考えてから、あっさりと肯定した。

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