真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
次の日の、昼休憩。

あたしは1人、体育倉庫の裏にいた。

主に野球部が使っているらしい

整地用のローラーに、隠れるようにして座る。


きっともうすぐだ。


あたしは逃げ出したくなる気持ちを

何とかこらえるため

強く唇を噛む。


しばらくして、かすかな足音が聞こえてくた。


だんだん大きくなって、それはあたしのすぐ側で止まった。


きた。


あたしは目を瞑り大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吐いた。


直子の直は素直の直。


正直者の直。


自分の心に正直に


素直になるんだ。


あたしは目を開けてから、思い切って立ちあがった。
< 31 / 54 >

この作品をシェア

pagetop