真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
まくし立ててから
睨むように突っ立っているあたしを見ても、
遠野さんは眉一つ動かさなかった。
両腕を軽く組んで姿勢よく立ち、
静かな表情であたしを見ていた。
格技場で見た、あの時の遠野さんのよう
に、今の彼もとても静かだった。
少しの沈黙のあと、遠野さんが
温度を感じさせない声で
「それだけか?」
と、あたしに言った。
遠野さんの、あまりの反応のなさに
あたしは二の句が継げなくなってしまう。
「それなら、もう行くぞ。」
黙ってしまったあたしに言って
遠野さんはくるりと向きを変えた。
行ってしまう。
言わなきゃ。
何か
言わなきゃ。
睨むように突っ立っているあたしを見ても、
遠野さんは眉一つ動かさなかった。
両腕を軽く組んで姿勢よく立ち、
静かな表情であたしを見ていた。
格技場で見た、あの時の遠野さんのよう
に、今の彼もとても静かだった。
少しの沈黙のあと、遠野さんが
温度を感じさせない声で
「それだけか?」
と、あたしに言った。
遠野さんの、あまりの反応のなさに
あたしは二の句が継げなくなってしまう。
「それなら、もう行くぞ。」
黙ってしまったあたしに言って
遠野さんはくるりと向きを変えた。
行ってしまう。
言わなきゃ。
何か
言わなきゃ。