真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
直の字に恥じないように
しばらくして、星ケ丘高校は

試験週間に入った。

試験一週間前には、どのクラブも

一様に活動を停止する。

その為、生徒のほとんどが同じ時間に

下校するのだ。


ホームルームが終わって、あたしは急いで教室を出た。


リカの声が追いかけてきたが


なんて言ったのか、聞き取れない。


走りながら振り返ると、リカが何か

言いたげに手を振っている。


「帰ったらメールする!」


大声でそれだけ言って、あたしはまた走り出した。


階段を一つ飛ばしで降りて

渡り廊下を抜けた


三年生の下駄箱。



「あの!」


あたしの怒鳴るような声に


小柄で髪の長い、その人がこちらを見た。
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