真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
ちょっとだけ真顔になった鷺原さんに、あたしはもう一度、頭を下げる。

「本当にすみませんでした。

絶対、もうしません。」

強い気持ちで言った。


あたしの目の前に、鷺原さんの白い

ふっくりとした手が差し出される。

「じゃあ、今回は若さゆえの過ちって

ことで、許して上げる。」


思わず泣きそうになりながら、あたしは

鷺原さんの白い小さな手を握った。

鷺原さんはそのまま立ち上がると

「じゃあね。」

と言って、行ってしまった。

去り際の笑顔が、本当に素敵だと思った。


…これで真っ直ぐになれたかな。

あたしも乱暴に目を擦ると

勢い良く立ちあがった。
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