さよなら、僕の麻衣子
(about Maiko)
僕の彼女は麻衣子と言う。
まるで太陽のように笑う、日向ぼっこをしている猫のような彼女だ。
特別美人というわけでもないのだが、彼女がそばそんな彼女と僕が付き合いだして一年。
幸せな日々を過ごしている。
しかし彼女は微笑みながらこう言うのだ。
「私、もうすぐしたら死ぬんだって。二人だけの秘密だよ。」
彼女はまるでエイプリルフールの嘘を言うように言うものだから、聞いているこちらが面食らってしまう。
僕もさすがに冗談だろうと思い、そんなことを嘘だとしても言う事は、人間としてどうだろうかと思い、麻衣子をたしなめようとした。
だが麻衣子は言う。
「本当のことだから心の片隅に留めて置いてね。」
僕もさすがにそれ以上のことを追及することは、憚られたので何も聞かなかった。