【びぃえる】この「好き」がキミに伝わってほしい、ただそれだけ。
〈♯1〉変な気持ち
「いってきます。」
僕、早乙女 宇宙(さおとめ そら)は今日から中学校に通い始める。
小学校の卒業式がおわってから、春休み中ずっと6年間一緒だった友達のことを考えていた。
(あいつ、いいやつだったな)
そんなことを思い出しながら玄関の扉を開けた。
暖かい春の風がびゅっとふいている。
そんな風に応援されたように、僕は歩き始めた。
新しい制服、新しい学校、新しい友達。そんな全てに打ち解けなければいけない。
『正直、不安だらけ。』
それが今の僕にぴったりな言葉だった。
気付けば沢山の家を過ぎて、横断歩道の所まで来ていた。
車がいなくなるのを待っていると、坂のむこうから見覚えのあるシルエットがこっちに向かってくるのが見えた。
僕は車がいなくなった横断歩道を渡る。
近づいて来るのは自転車に乗った青年。そんな認識だった。
が。
青年とすれ違う時、急にその青年が。
「お。宇宙!」
と話しかけてきた。
その声、忘れるはずない。6年間クラスがいっしょで、すごくなかがよかった長谷川 真大(はせがわ まなと) だった。
「よ…よう!真大!!」
一瞬動揺したけど、返事は返せた。
「じゃーな!」
もっと話せるかと思ったけど、真大は通りすぎてしまった。
まぁ、仕方ない。初日に遅刻はまずいよな。
そんなことを思い、笑顔で真大に手をふった。
ちょっと寂しいけど、会えただけで嬉しかった。
明日もこの時間に会えるかな。今日と同じ時間に家をでよう。
楽しみだな。
……………
…………
………
…
……なんだ?この、変な気持ち。
僕、早乙女 宇宙(さおとめ そら)は今日から中学校に通い始める。
小学校の卒業式がおわってから、春休み中ずっと6年間一緒だった友達のことを考えていた。
(あいつ、いいやつだったな)
そんなことを思い出しながら玄関の扉を開けた。
暖かい春の風がびゅっとふいている。
そんな風に応援されたように、僕は歩き始めた。
新しい制服、新しい学校、新しい友達。そんな全てに打ち解けなければいけない。
『正直、不安だらけ。』
それが今の僕にぴったりな言葉だった。
気付けば沢山の家を過ぎて、横断歩道の所まで来ていた。
車がいなくなるのを待っていると、坂のむこうから見覚えのあるシルエットがこっちに向かってくるのが見えた。
僕は車がいなくなった横断歩道を渡る。
近づいて来るのは自転車に乗った青年。そんな認識だった。
が。
青年とすれ違う時、急にその青年が。
「お。宇宙!」
と話しかけてきた。
その声、忘れるはずない。6年間クラスがいっしょで、すごくなかがよかった長谷川 真大(はせがわ まなと) だった。
「よ…よう!真大!!」
一瞬動揺したけど、返事は返せた。
「じゃーな!」
もっと話せるかと思ったけど、真大は通りすぎてしまった。
まぁ、仕方ない。初日に遅刻はまずいよな。
そんなことを思い、笑顔で真大に手をふった。
ちょっと寂しいけど、会えただけで嬉しかった。
明日もこの時間に会えるかな。今日と同じ時間に家をでよう。
楽しみだな。
……………
…………
………
…
……なんだ?この、変な気持ち。