あなたがいなければ。【短編小説】
『これやりたい!あっ!こっちも!』
私があっちこっち行くのを晃君は手を繋いで付いてきてくれる。
『あっ!綿あめ食べたい!』
『待ってろ。』
『分かった!』
何しに行くんだろ?
『はい。』
『綿あめ!ありがとう!』
やったぁ
綿あめだぁ!
『…食べる?』
『じゃあ少しだけ。』
私は綿あめをちぎって晃君に渡す。
『はい!』
『…』
『いらないの?』
『…口に入れてくれないの?』
『…しないよ。恥ずかしいし…。』
何言ってんの?
この人。
『仕方ないなぁ。後でお仕置き。』
『はっはい!アーン!』
このやろう!
という気持ちで晃君の口に突っ込む。
『なゎにふんだよ!』『えっ?何言ってるの?分からない~。』
仕返しだ!
『おい。慧里奈。』
『ふぅ~んだ!』
『おら。こっち向け。』
『何よ!』
チュッ
『なっなっ!』
『お礼。』
『みんないるのに!』
『見てない見てない。』
『見てるよ!』
『良いじゃん!』
『いくない!もう知らない!』
ふん。
もう知らない!
『…。』
『…手は離さないんだ?』
『うん。』
『可愛いやつ』
『可愛くない。』
『可愛くないなら、キスしないし…。』
『ありがと。』
『信じてないし…。』
後もうチョットで花火が上がる。
この花火は海の近くで上げられるんだけど、その海に映る花火が凄く綺麗。