あなたがいなければ。【短編小説】
「俺の言いたいこと分かるな?」
「やったぁぁぁ!の事ですか?」
「違う。やっぱりお前には分からないか…。」
「違うなら何ですか?」
「俺がお前を怒ったことあるか?」
「ん~。無いです。」
「じゃあ呼び出した理由はなんだと思う?」
亀ちゃんは、ゆっくりと私の方に歩いてくる。
「さぁ~。分かんないです。」
「じゃあ教えてやるよ。」
ドンッ
「はっ!?」
なんか壁ドンされてるんだけど!?
※壁ドンとは、小説にお馴染みの壁にドンってされる感じですね。※
「まだ分かんないか?俺、かなり我慢したんだけど?」
「はっ?……はっ?」
「何回も聞くな。マジハズい。」
「亀ちゃん?いっ 意味がわかんないんですけど。」
「まだ分かんないか。じゃあ今日から恋愛のお勉強だな。」
「…?」
せっ 先生の顔近いです!
「じゃあ、キスの仕方から。」
「はぁ!?わっ 私には、晃君が!」
「アイツじゃ足りないだろ?しかもアイツはまだ子供だ。」
少しずつ顔が近づく。
「大人の魅力を教えてやるよ。」
「いやっ!」
ガバッ
「はぁはぁはぁはぁ。なんだ夢か。」
夢で良かった。
ってか私…
「寝ちゃったんだ。屋上で。」
確か、体育館に移動する時にこっそり抜け出してきたんだよね。
バンッ!
「慧里奈!!」
「晃君!どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇ!散々探したんだぞ!?」
「ごめんなさい。」
「今 何時だと思ってる?」
「分からないです。」
「もう14時だ!」
「え゛!?もう!?」
今日は、お昼前に終わる予定だったのに!?
「ショックだぁ」