あなたがいなければ。【短編小説】
「お父様のバカ。」
終いには、お父様のせい。
「みんな。どうしてるかな?」
昨日会ったのに…
さよならしたばっかりなのに…
「慧里奈ぁ~!」
お兄ちゃんが私を呼ぶ声がする。
「はーい。今行きます。」
「ちがーう!お友達さんいるよ~!」
「えっ!?誰!?」
「慧里奈。私を怒らせるなんて言い度胸ね。」
「俺だよ。慧里奈。」
「…。」
無視無視。
いるわけがない。
とうとう幻覚までみはじめたか。
大好きな2人の。
タ タ タ タ
「慧里奈。ちょっと待ちなさいよ。」
ヒィッ!怖い。ゆっ夢じゃない!こっこの怖さは!
「じゃっ 邪魔。どっか行って。」
少し動揺してしまったぁぁ!
気付かれてないかな?
「私に邪魔って言って良いのは、私より年上の人だけよ?エリナさん?」
やばいやばい。やばいよぉ~。
怖いよ~里奈さん!
「慧里奈?お兄さんとどこかに行くのか?」
「だからなに?あんたに関係ある?」
「あぁ。ある。」
「関係ないし…。」
「俺はお前の“彼氏”だからな。」
嬉しがってる自分がいる。
私、本当は晃君と…みんなといたいよ。
でも…
「そんな気持ち悪いこと言わないで。」
私より、みんなのほうが大切だから…
「私、あの高校にはもう行かないから。さようなら。」
本当にさようなら…