あなたがいなければ。【短編小説】
やっぱり、力はお兄様の方が上で…
だからお兄様が抵抗した時に私のお腹にハサミが…。
私が最後に見たのは、自分の真っ赤な血。それと…
お兄様の笑顔…
「だから…あれは私が悪いんです。」
お兄様が笑ってた事は言わない。
お兄様のにとって不利益になるから。
「話を聞いていても、智彦が悪いように聞こえるな。」
「そうですか?私はハサミを出した私が悪いと…。」
「違う。慧里奈の事だ。きっとまだ話していない事があるんだろう?それと、慧里奈は優しいからな。神崎グループの会社を継ぐ者として、理想のタイプだ。」
「そういってもらえて光栄です。」
「さて、どうするものか。」
「…」
「次期社長はどうしたい?」
「…。見つかったからにはしばらくの間はお兄様の近くにいないと行けないかと…。」
「慧里奈が出した決断はそれか?」
「はい。もう一度耐えて見せます。」
「ならいい。我慢の限界が来たら、言いなさい。また、どこか住まいを用意しよう。」
「ありがたきお言葉。ありがとうございます。」
「ちゃんと言うのだぞ?」
「はい。」
「では行って良い。」
「はい。失礼しました。」
一応これでOKかな?
「やだなぁ。」
転校。
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