あなたがいなければ。【短編小説】
チュンチュン
ジリリリリリリリリリ
「うっさいなぁ!」
なんて呑気に考える。
「今何時だろ?」
8時半……。
確か、完全登校が8時半で、授業始まるのが8時50分だから……。
「夢でも見てるのかも…。」
一応ほっぺをつねってみる。
「いたぁぁい!」
痛い?
と言うことは…
「遅刻だぁぁぁ!!」
学校に着くまでに走っても15分はかかる!
着替えないと!
私は無駄に広い部屋を走り回る。
この家はお父様が買ったマンション。
私はここにひとりで住んでいる。
ダッダッダッダッ!
急げっ急げっ!
学校について、上履きに履き替える。
教室にLet's go!
ダッダッダッダッ
ガラガラガラ
バンッ
「セーーフッ!」
「アウトだ。俺がいるからな。」
「え゛ぇー。見逃してよ亀ちゃん。」
「ダメだ!お前は放課後居残り決定な!」
「え゛ぇぇぇぇ!いつもはいないクセに…。」
「とにかく、アウトだ。」
「けちぃ。1年生の時は優しかったのにぃ。」
「けなしてから昔話でほめるな。早く席に着け!」
「ぶぅ。」
これじゃあ走ってきた意味無いじゃん。
がんばったのに。
あっ!ついでに、亀ちゃんは担任ね。
亀井秀輝(カメイ ヒデキ)って言うの!
そして、私が慧里奈。遅刻の常習犯で運動が大好き!自分で言うのもなんなんだけど、頭も良い。やっぱり神崎さんに引き取られるとマナーや勉強はしっかり身に付けられる。
とにかく元気いっぱいの高校2年生!宜しく!
突然だけどHRが終わったら、サボろうと思ってるんだけど…。
「おい!エリナ!ちゃんと話聞いてるのか!?お前まさか1時間目からサボろうなんて考えてないよな?」
「まさかぁ!滅相もございません。さすがにサボリ魔の私でも1時間目からはサボりませんよ~。」
「お前だから疑ってるんだ!」
「ひどい!私ってそんなに信用無いですか?」
「無い。てゆうか、俺はお前と漫才するために教師になったんじゃない!」
「私もですよ~。私も先生と漫才するために生徒になったんじゃありません。」「誰か!こいつを止めてくれ!あっ!里奈!お前が良い!」
「はーい。エリナ!」
「なぁに?」
「後でチョコあげるから静かにしなさい。」
「本当に!?じゃあ黙ります!」
「それで宜しい。」「ふぅ。ありがとな。じゃあ続き言うぞー。これから転校生が来るから宜しくな。」
「え゛ぇぇぇ!」