あなたがいなければ。【短編小説】

『しかも慧里奈は可愛いです。』
『そうだなぁ!まだ小学校低学年なのに、色気があるし!』
『それはお兄さんがつけさせたんでしょ。』
『それは、子供にはNGワード!』
『わかりました。』
『とりあえず、あいつは、襲いたくなるほど、可愛いな。』
『そうですね。』
『おー!話がわかる奴だ!』
『同じ気持ちですよ。』
『おっ!俺はお前が気に入ったぞ!』
『ありがとうございます。』
『だが、取りあえず、このことをお父様に報告だ。』
『…』
『晃!そんな心配な顔はするな!俺もお父様も実は、めちゃくちゃ慧里奈ＬＯＶＥなんだ!世界で一番慧里奈が好き好き!だぁい好き!』
『めっちゃキモイです。』
『うるさいなぁ。極度なシスコンで悪かったなぁ。』
『誰もそこまでは言ってないです。』
『お前面白い!気に入った!』
『それさっきも言われました。』
『とにかく！お父様んとこいくぞー!』
『…』
『じゃあ連れてってやる!』

そういって担がれる。

『はっ。吐きそう。』
『吐くなよ。汚くなる。』
『もう汚いですよ。』
『うそっ!?マジで!?』
『嘘です。』
『…。』

無言で回される。

『まじで吐きそう。』
『よし!いくぞー!』
『早くして下さい。』
『はいはい。』










ｺﾝｺﾝ

『智彦です。』
『入れ。』

ｶﾞﾁｬ

『失礼します。』
『…その子供は誰だ。まさかお前のか!?』
『さすがにこんなにデカいガキはいませんよ。ちっちゃいのもいないけど…。』
『…で?用件は?』
『不法侵入者です。』
『誰が?』
『このガキです。』
『…。警報機は?』
『俺が止めました。』
『勝手な奴だ。』
『すいません。』
『そいつのことは、お前に任せた。話は後で聞かせろ。』
『はい分かりました。では失礼します。』