あなたがいなければ。【短編小説】
第二章 ○○○
放課後。
結局サボれませんでした。
私「じゃあ行って来ます。」
里「行ってらっしゃい。」
柑「がんばってね。」
涼「ガンバ!」
翔「エリナになんかしたらただじゃおかないから。」
里「あら。ヤキモチ?」
翔「…違う。」
里「あらそう?」
私「うん!みんなありがとう!じゃっ!行こっか!」
晃「うん。」
みんなに見送られて、教室を出る。
タ タ タ タ
私「…。」
晃「…。」
きっ
気まずい。
晃「どこに行くの?」私「じゃあ、逆にどこ行きたい?」
晃「えーっと。体育館。」
私「じゃあこっちだよ~。」
この学校の体育館は普通の学校よりも、広い。
「ここ。」
「広いな。」
「うん。じゃあ次。ここからどんどん紹介して行くね。」
「あぁ。」
なんかさっきと、態度が違うような…。
…気のせいかな?
「次が家庭科室で、隣が準備室。」
「…」
「その次が、第一音楽室で隣が、3年生の教室。」
「…」
こいつ…
私の話し聞いてんの!?
イライラする!
「こっちが第一理科室。隣は第二理科室。」
「…」
「こっからは空き教室!」
「…」
もう我慢の限界!!!
「さっきからわたしの話し聞いてんの!?」
「…」
これでも答えないの!?
「私、好きでこんな事してるんじゃ無いんだけど!?」
「――が悪い。」
「は!?」
「お前が悪い。」
「はぁ?何で今日はじめて会ったばっかりの人にお前呼ばわりされないといけないの!?」
「初めてじゃない。」
「何言って…」
やっぱり、そうなのかな?
「もう分かってるだろ。」
彼が…
「たっ君…?」
「そうだけど…。今頃?」
「えっ。マジで?」
「マジで。」
私夢でも見てるのかも…。
「夢かぁ。」
「夢じゃねぇよ。」
「夢だよぉ。」
「じゃあ証明しようか?慧里奈さん?」
何かもの凄く怖いような気がする。
ガラガラ
バンッ
カチャ
あれ?
いつの間にか空き教室の中にいます。
鍵も閉められて、でられません。
タ タ タ タ
「ちっ近寄らないで!」
「ずっと会いたかった…」
「…」
「引っ越した時から。」
「――もだよ。」
「は?」
「私もだよ。だけど…」
「だけど?」
「今は会いたくなかった。」
迷惑をかけてしまうかもしれない。
そう考えると、胸が痛くなる。
「俺に頼れよ。」
「えっ?」