普通になりたくて。
「桜花 美優、いるかの。」
しーん…
みんな、私の方を見てる…
はあ…
「美優!」
「おじい様…」
「探したんじゃぞ。」
「お母様とお父様は?」
「先に帰らせたぞ。」
「そうですか…」
「美優、何だその服は。桜花家のものがそんなものを着てはいかん!」
「え、でも…」
「まあ、明日からここに来ることはなくなる。」
「そんな!おじい様。待ってください!私はここにいたいです。」
「おまえにそんな格好をさせるわけにはいかんのだ。」
「なら、違う服を着ます。だから…」
「そこまでしてここにいたいのか?」
「はい…!」
だって、約束もあるし…
「なら、今から着替えなさい。それから、帰ってきてから私の所に来るように。いいね?」
「分かりました。」
私は着物に着替えた。
着物と言っても、動きやすい着物。
着物だと、魔力を高められるらしい。
「美優…?」
「あ…ごめんね。迷惑かけちゃって。」
「それは良いんだけど、美優って…まさか…桜花財閥の?」
「うん…」
「何で言ってくれなかったの??」
「ごめんね…」
「でも、いいなー。お金持ちのお嬢様!」
「良くないよ。私は普通の女の子になりたかった。」