心の地図

私の頬には、

何かが流れ落ちていた。



気付いた私は、

その何かをふき取った。



「何…これ? 水…?」



私の眼から、

次々とその水が溢れた。



「涙…だよ」



それを見ていた竹が、

悲しい顔をしていた。



「涙…? 何それ…?」



何それ?

涙?

悲しい時に出るやつ?

何で?

何でよ…?




「ふはッ…ははははッ」



わたし…

笑ってるじゃないのぉ…

悲しくないよぉ…?




「顔は笑っても、

脳や体は正直なんだよ」


「うッ…うッ」


「お母さんの事、思い出したんだろ」




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