ピュアなお前に甘めのKiss*


それがキスだったと気付いたのは

目を開けた時目の前に、川内くんがいたからだ。


「あの、違うんだ……

本が落ちてきて」


「うん……大丈夫……」


大丈夫。だって、今のは事故だから。

キスしたわけじゃなくて、唇がぶつかっただけだ。


触れた唇をぐっと押さえて無理やり笑ったら

他の男子が気まずそうに


「じゃあ、もう終わりにするか」

と言ってきた。


3人が出ていくのを確認すると、私は震える手で唇をぬぐった。


どうしよう……。

事故だって思いこむようにしてるのに

すごく嫌で、怖くて泣きそうになった。






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