2人のユウト




 ・・・なんかこれ、マズい状況だよね?


 水門くんは大丈夫って言ってくれているけど。



 声とか行動が、大丈夫じゃないよ。



「水門くん、本当に大丈夫?
もし痛かったら、救護室行く?」



 さっきもらった遊園地のパンフレットに、救護室載っていたから。


 いくら方向音痴の私でも、地図があれば辿り着くだろう。




 私が訪ねると。


 水門くんは、勢いよく顔を上げた。


 その顔は、私が水門くんと初めて会った、保健室での出来事と同じ顔だった。





「やめてください!
僕は大丈夫です!!」



 二度目の否定ですか。




「ねぇ水門くん。
初めて私が水門くんと会った時、覚えてます?
保健室での出来事なんですけど」



「お、覚えていますけど・・・?」



「あの時も包帯とか拒否したよね?
何故二度も拒否をする?
大人しく治療受ければ良いのに」







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