2人のユウト




 我ながら冷たくて淡々としていると思う。


 でも、水門くんの拒否は可笑しい。


 気になってしょうがない。



「ぼ、僕は大丈夫ですから。
日下さんが心配することは何もありません」



 まぁ、そうなんだけど。


 ハッキリ言えば、水門くんはただのお友達。


 それ以上の関係ではない。



 ・・・でもね。



「心配しちゃうよ。
だって水門くん、私の友達でしょう?
友達なら、心配しちゃうよ・・・」



 あぁ・・・泣きそう。


 私、こういう時、泣いちゃうの。


 ドキュメンタリーとかでも、簡単に号泣するタイプ。



「・・・日下さん・・・・」




 視界がどんどん揺れて行く。


 このままだと、私確実に泣くわ。


 泣くと、水門くん引いちゃうかも。



「ごめん。私、ちょっとトイレ!」



 涙があふれそうなのをこらえながら、私はトイレへダッシュした。





< 138 / 368 >

この作品をシェア

pagetop