2人のユウト




☆優斗side☆



 僕は日下さんがトイレに行くと言っていたので、近くのベンチに座って待つことにした。





 さっきの日下さん、泣きそうだったな・・・。


 何故だろう。





 ・・・考えても無駄かな。


 何せ僕には人間の感情と言うものが欠落している。


 特に、人の気持ちを考えることが苦手だ。


 よく言われる。



 「人の気持ちを考えろ」と。



 しかし、僕に何度言っても無駄だと思う。



 わかり切ったことだろう。


 僕が人の気持ちを考えられないと。






 だから、彼女を、傷つけたんだ。



 彼女がどんな思いで僕に接していたか知らずに。



 僕は、ただ彼女に全てをぶつけた。



 全て、こうなったのは、お前のせいだと。





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