2人のユウト
そう呟く水門くん。
しかし、私は見てしまった。
水門くんが、左手で右腕を抑えていることに。
「水門くん・・・。
ちょっとごめんね」
「え?・・・あっ、ちょっ、何をしているんですか!?」
焦ったような声を聞きながら、私は覚悟を決めて、強く右腕を掴む。
「・・・ッ!」
思った通り、水門くんは保健室で会った時と同じように、顔をしかめた。
「水門くん?」
「ちょっ・・・離してくださいっ・・・!」
私はそっと、その袖をめくる。
「・・・!?」
「ごめんなさい!
僕、今日は失礼します!!」
筆箱と教科書を手に取った水門くんは、急いで図書室を出て行く。
水門くん・・・?