2人のユウト
・・・はっ。
ボーッとしている暇ないや!
「水門くん!」
私は学校内ということを忘れて走った。
「え?あれ、日下さんだよね?」
「本当だー。あんなに全速力で走って、どこ行くんだろう?」
「そういえばさっき、あの水門を追っていたよ」
途中でクラスメイトの女の子たちの声が聞こえたけど。
無視して走る。
「幸菜?」
後ろから呼ばれ、足が急ブレーキを踏む。
「あっ・・・勇都くん?」
「どうした、そんなに急いで。
もうすぐで授業始まるぞ」
「わ、私遅れる!」
「は?おい幸菜!
どこに行くんだよ!!」
思い切り腕を引かれる。