2人のユウト




 椎葉さんと言う人物は、まさに執事らしき人だ。



 丁寧にセットされた黒髪に、銀縁眼鏡。



 頭良さそう・・・。




「あたし、ユキさんの大ファンなんです。
だから、日本に来た時に会いたくて。
無理言ってごめんなさい。
忙しくなかったですか?」



「だ、大丈夫です。
気にしないでください」



「ありがとうございます。
お優しいですね」



 いやいや、あなたの方が優しそうですよ。


 その笑顔とか。


 太陽みたいに暖かいです。





 水門くんみたい・・・。






 あぁ、何で私、思い出してんの。



 未練がある幽霊みたいじゃない。



 クラスで幽霊と言われる私。



 本当に幽霊みたい。







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