2人のユウト





 ただ、水門くんのことを考えただけなのに。



「ユキさん・・・?」




 声がして、鏡を見ると。



 心配そうな顔の、美夏さんがいた。




「美夏さん!?」


「あ、ごめんなさい驚かせて。
心配になって、来ちゃったんです。
大丈夫ですか?」



 うわ~めっちゃ優しい!


 お金持ちな人って、我が儘とか自己中心的な性格なイメージあるけど。



 美夏さんは、そんな感じ全くしないよー。



「あ・・・大丈夫です。
ごめんなさい、変な所見せてしまって」



「いえ、大丈夫です」



 そう言って美夏さんは笑うけど。


 その手が、少し震えていた。



「美夏さん・・・?」


「あ・・・ごめんなさい。
実はさっき・・・昔のこと、思い出して」







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