2人のユウト
「お前、純粋すぎ。
そんなんじゃこの先、彼氏出来ねぇよ?」
「いらないです、彼氏なんて!
私は一生独身で生きて行きます!!」
「それは困るなぁ」
何が困るのよ!
「今この国は少子化が凄いんだぞ?
お前から生まれる子どもが、この国を救うかもしれねぇんだぞ?」
「あんたは政治家かよ!
確かに少子化は進むわよ。
今は私のように1人っ子家庭が多いかもしれないからね。
でも、生まれてきた子どもが必ずしも世界を救うかはわからないわ。
折角生まれてきても、身勝手な親によって殺される子もいるかもしれないからね」
「虐待とか、だろ?幸菜が言いたいのは」
「えぇ、そうよ」
「確かに多いよなぁ。
そういう事件が報道されること、少なくねぇし。
俺らの身近にも、そういう奴いるし」
・・・え?
もしかして・・・。
「良い加減気が付いているんだろ?
水門が校長の手によって癒えない怪我を負わせていること」
水門くん・・・。