2人のユウト
「あいつが突然俯く理由。
あいつが敬語を使ったり、勉強に時間を費やす理由。
遼平や風真が軽く殴っただけで気絶する理由。
全てはあの校長にある」
やっぱり、あの図書室で見たのは、本当だったんだ。
紛れもない、事実。
「幸菜さ、水門のこと、好きだろ?」
「えっ・・・?」
何で美夏さんも勇都くんも、そういうこと言うの?
いや、別に嫌いじゃない。
でも、好きかどうかは、わからないよ・・・。
それに・・・。
「勇都くん、何でそんなこと言うの?
私がもし水門くん好きだって言ったらどうするの?」
「ん?いや、別に気にしねぇーよ」
気にしないの?
偽りであっても、私は勇都くんの彼女だし。
普通は気にするよね?
「俺が好きになる相手は、1人だけだから・・・」