2人のユウト
1人だけ・・・?
もしかして、モモさん?
「モモさんのこと?」
「そう。俺は今でもモモのことが好きだ。
アイツは自分を犠牲にしてまで俺を守った。
本当は俺がモモを守らねぇといけねぇのにな」
そうだ・・・。
モモさんは、父親に恋人を殺すぞと脅されたんだ。
その恋人が、勇都くんなんだ。
「俺はモモ以外愛さねぇよ。
愛されても、愛さない。
・・・幸菜、お前でもだ」
勇都くん・・・。
「ねぇ・・・。
何があったの?
モモさんと、勇都くんの間には」
「・・・長くなるぞ?
授業も2時間ぐらいは欠席になる。
それでも聞くか?」
「うん・・・聞きたい」
私が頷いたのを確認した勇都くんは、空でもない、どこか遠くを見ながら話し始めた。