2人のユウト




 モモの家は繁華街からほど近い、小さなボロアパートだった。


 1人暮らしをしているモモは、俺を一晩泊めてくれた。




 次の日俺が目覚めると、モモは俺が持っていた中学の生徒手帳を見ていた。


「返せよ!」


「リュ、リュウくん!?
ごめんなさい、勝手に見たことは謝るわ。
でもね、一つ聞きたいの。

リュウくんは、今いくつなの?
これ、あたしが行っていた中学の生徒手帳だわ。
つまりリュウくんは中学生よね?

どうして中学生が、こんな危ない所にいるの?」



「関係ねぇだろ!」



「もしかしてリュウくん、学校でいじめられているの?」



「ちげぇよ!
学校には行ってねぇよ」



「どうして?
何か理由があるのね?
あたしに話してみない?」



「は?冗談もほどほどにしろよ。
何で昨日会ったばかりのお前に話さねぇといけねぇんだよ。

確かに昨日助けてもらったし、泊めてくれたから、それは感謝する。
でも俺とお前は赤の他人だし、関係ねぇ存在。

話す必要なんてねぇだろ?」



「はぁ・・・これだからお子ちゃまは困るよ。

見ず知らずの人に話すのって、結構楽よ?
知らない相手だからこそ素直に話せるの。

なんなら、あたしのこと、話そうか?」






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