2人のユウト




 ニコッと笑ったモモは、自分の過去を、包み隠さず話した。



 しかし、後の方は涙を流しながら話していた。



「あたしね、誰もあたしを愛してくれないのかなって、凄く不安だったの。
常に誰か、心を許せる大切な人が隣にいないと、あたしは凄く不安になっちゃうの。
弱いでしょ、あたしって。
こんなにもあたしは弱いから、あたしは愛されないのかな?」



「・・・そんなこと、ねぇよ。
モモは強いよ、俺なんかより。

聞いてくれるか?」



 俺もモモに包み隠さず話した。


 モモの言う通り、見ず知らずの相手に話すのに、勇気はいらなかった。



 むしろ、俺のことを何も知らないからこそ、素直に話せた。



「そうなんだ・・・。
だからリュウくんは中学生なのにここにいるのね。
理由はわかったわ。

でもねリュウくん。
学べるのは今しかないとあたしは思うの。
今だったら、将来役に立つ、大切なことを学べるわ。
だからねリュウくん。
学校に行ってほしいの。
あたしの分まで、良い思い出作ってきてね」



 俺はモモに言われ、学校へ真面目に通うことにした。


 理由は自分でもわからない。


 ただ、モモに行ってと言われただけ。


 ただ、それだけなのに。







 もしかして俺は。


 モモに恋をしたのか?





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