２人のユウト

　俺が真面目に学校へ行くようになったからか、父さんは何も言わなくなった。


　父さんはあの派手な女と結婚したらしい。


　あの幼少期を過ごした家で、今も父さんは派手な女と暮らしている。


　今では子どももいるらしい。


　まぁ、俺には関係ねぇけど。





　姉貴は友達の家に泊まるという嘘を父さんにつき、その時も今も、男の家で暮らしている。





　俺はモモの家から中学に通うようになった。


　父さんは、何も言わなかった。






　しかし、川島から聞いたのか、姉貴が突然、俺の中学を訪ねた。



「聞いたわよぉ勇都。
あなた、今女の子の家で暮らしているみたいね」



「姉貴には関係ねぇだろ？」


「そうかしらぁ？
あたしは勇都の姉よ？
勇都の恋人に会う権利はあると思うわ。

父さんは気が付いていないし、あの派手な女と幸せそうに暮らしているから、勇都にもあたしにも興味ないわ。
だから勇都の彼女を知るのはあたしだけ。
ねぇ勇都。
紹介してくれないかしら？」



　あんまりにも姉貴がしつこいので、俺はモモと暮らす家に、姉貴を連れて行った。