2人のユウト
「初めましてぇ。
姉の、峯長真梨香です。
いつも弟がお世話になっています」
「三浦(みうら)モモです。
初めまして。
峯長真梨香って、もしかして、あの大人気メイクアーティストの峯長真梨香さんですか?」
「そうよー。
やだ、あたしって有名人?」
「皆真梨香さんのこと話していますよ。
こんなに有名人に会えるなんて光栄です。
でもまさかリュウくんのお姉さんだったなんて。
リュウくん、あんまり家族のこと話さないから、お姉さんがいるなんて、思わなかったです」
「リュウったら恥ずかしがり屋だもの。
ところでリュウ、ちょっと良いかしら?」
アパートを出た俺は、姉貴に早速聞かれた。
「リュウって誰よ。
もしかしてあんた、偽名使っているの?」
「・・・あぁ、まあな」
「モモちゃん、恋人なんでしょう?
なら、本名を明かしなさいよ。
いずれは結婚するんでしょう?」
「けっ、結婚!?」
「あらしないの?
あたし、子ども好きだし、モモちゃんも気に入ったから、結婚しても良いわよ」
「でも、俺まだ中2だし・・・」
「確かにまだ結婚は出来ないわね。
でもね勇都、今からでもプロポーズしちゃいなさい」