2人のユウト




「浦川美波は・・・モモだ」


「え?そうだったの?」


「姉貴が伸也さんに俺とモモのことを言ったから、モモは伸也さんを殺したんだ。
伸也さんはモモと付き合う俺を殺そうとしていたからな。
モモは俺を守ろうとして、自らの手で、実の父親を殺したんだ。

姉貴が何も言わなかったら、モモは死なずに済んだんだッ!!」



 俺はそのまま部屋へ向かい、延々と泣いた。

 
 全ては、姉貴のせいだ。


 いや、俺の責任だ。



 モモを守れたら、こんなにならなかったのに。


 いや、でも。


 人のせいにしないと、生きていけなさそうだ。


 自殺でもしたら、モモの手紙の最後に書かれていた約束が、守れない。



 せめて、モモの願い事は叶えてやる。



 俺はそのまま、眠りについた。







 目覚めると、朝だった。


 今は何時だ?



 近くにあった時計を見ると、眠りに落ちた日から、3日がたっていた。



 空腹を覚え、階下へ階段を使い、向かう。






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