2人のユウト
僕は担任から、トップで高校に入学できると教えてもらった。
校長から特別に賞状をもらい、僕は上機嫌だった。
これを両親に見せれば、きっと美夏のように褒めてもらえる。
そう信じていたんだ。
両親はリビングに揃っていた。
美夏は靴はあるけど、リビングにはいないので、自分の部屋にいるのだろう。
「お父様!お母様!話があるんですけど!」
「丁度良い優斗。話がある。座りなさい」
「どうしたんですか?お父様」
「ようやく決めたんだ。
お前を、養子に出すことを」
・・・え?
「どういう意味ですか・・・?」
「優斗、お前はいつまでたってもIQ200に達しないじゃないか。
わたしも母親も待つのには飽きた。
だから、美夏に財閥を任せようと思うんだ」
「ぼ、僕は・・・?」
「お前はわたしの友人である高広のもとへ行ってもらう。
高広は結婚しているが、子どもがいない。
是非子どもが欲しいと言っていたのでな。
役に立たないお前を100万で売ると言ったら、ノッてくれたぞ」
僕は、100万で売られたんだ、と理解した。