2人のユウト




「ここが優斗の部屋だ」


 連れて来られたのは、広い部屋。


 運び込まれていた荷物。


 僕は本当に100万で売られたんだ・・・。



「優斗。
わたしと妻の間に子どもはいない。

だから優斗には、わたしの跡を継いでもらいたい」


「跡をですか?」


「あぁ。
わたしは近くの高校の理事長をしている。
校長もだ。

だから優斗には、その高校の理事長と校長の座を継いでもらいたい」



「わかりました・・・」



「あとは、わたしのオモチャにしてもらう」



 ・・・オモチャ?


 僕がそう思った時だった。





 いきなり拳が飛んできて、僕を殴ったのだ。



「・・・ッ」


「わたしは毎日退屈でしょうがない。
妻との間に、愛はない。
妻はわたしを嫌って飽きて、今は浮気を何度も繰り返している。
だからわたしは寂しいのだよ。

優斗。
わたしの可愛い、何も言わないオモチャになってくれるね?」






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