2人のユウト




 言って、彼らが停学をくらうことが嫌だったから。


 僕だけ苦しめば良い。





 僕は相変わらず、勉強だけ頑張った。


 1位の成績を守り続けた。



 そうしたら、お義父さんも少しは優しい。


 束の間の出来事だけれども。


 それだけが嬉しかった。





 死にたいと思ったことも少しはある。


 お義父さんに引き取られてすぐの出来事だ。



 初めて殴られた時はさすがに痛かったから、すぐに涙が出た。



 その時、僕は死にたいと思った。




 実の両親にも愛されず、義理の父親にも愛されず。



 生きている価値があるのかな?



 夢も希望も持てなさそうな、この家で。


 暮らして、一体僕になにがある?





 まぁ、そんな気持ちもすぐに消え去ったけど。






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