2人のユウト
思い立ったらいられない性格のため、私は携帯電話を通学鞄から取り出し、水門くんのアドレスを出して、新規メールを作成した。
【こんばんは水門くん。
寝ていたかな?
ごめんねこんな夜遅くに。
なんか、メールしたく
なっちゃって。
昼間は、本当にごめんね。
でも美夏、会って嬉しかったって
言っていたよ。
水門くんはもう会いたくないって
思っているかもしれないけど。
また会った方が良いのかな?
お節介でごめんね。
でも、水門くんは優しいから。
きっと後悔しているんじゃ
ないかなって思うの。
勝手な妄想だけど。
私はそう考えました】
「送信っと」
思わず口に出したまま、メールを送る。
返信は、すぐに来た。
・・・うつの、早いな。
【こんばんは。
起きてましたよ。
そろそろテストなので、
勉強してました。
昼間のことは、気にしてません。
そうですか・・・。
美夏がそんなことを
言っていたんですね。
僕は夕方図書室で話しましたけど、
妹に手を上げた、最低な人です。
だから、優しくなんてありませんよ。
日下さんの方が優しいです。
僕の話を聞いて、泣いてくれたんですから。
凄く嬉しかったです。
美夏も優しい人です。
僕を恨んでいないのですから。
でも、きっと気にしているはずです。
だから僕は、美夏に会いません。
過去のことを思い出してしまうと、
美夏の両親も困るでしょうから】