2人のユウト
☆☆☆
空港には、多くの人がいた。
私と水門くんの手は、繋いだままだ。
私はそのまま歩いた。
「美夏・・・どこだろう」
まだ行っていないはずなのに。
すぐ見つかるはずなのに。
一気に不安になる。
このまま、すれ違ったまま別れるなんて。
すると、水門くんが私の手を掴む力が強まった。
「大丈夫ですよ」
根拠なんて、ないはずなのに。
春のような笑みが、不安を消してくれる。
「・・・うん」
「じゃあ、行きましょう」
今度は私より水門くんが一歩先を歩く。
エスコートされているみたいで、少し照れる。