2人のユウト




 ・・・水門くん・・・・。



「これはあくまで俺の意見だがな。

そんなハズいことをやりきった水門だ。
水門が嘘つくとは思えねぇ。
多分、幸菜の親に言った、好きって言うのが本心だろうな」



「じゃあ、どうして水門くんは私の告白に無理って言ったの?」



「そんなの俺にわかるかよ。
俺は水門と同じ名前だが、性格も何もかもちげぇからな」



 うん、ですよねー。



「わからねぇのなら、わかるまで本人に問いただせ。
本人にしかわからねぇことだからな」



「・・・うん!」



「もし無理があいつの本心なら、受け止めろ。
無理に好きになるほど辛いことはねぇからな」



「うん!」



「わかったのなら行って来い。
次の授業の担任は今日休みらしいからな。
多分自習になるだろーから」



「ありがとう!勇都くん!!」



 私は屋上を出ようとして、扉の前で、思い切り叫んだ。



「勇都くん!
私を、勇都くんの、好きな人にしてくれて、ありがとー!!!!」






 伝えるよ、私。


 嘘偽りない、真実の答えを。






< 339 / 368 >

この作品をシェア

pagetop