2人のユウト



☆勇都side☆



 幸菜の消えた扉を見た俺は、ふっと微笑んだ。


 ・・・まさか俺がフラれるなんてな。



 思いもよらない展開だな。






 ま、幸菜にも言ったけど、相手が水門なら良いか。


 遼平や風真に何されてもめげない、口調や見た目はヘタレなのに折れない強さを持つ水門なら。


 きっと、幸菜を幸せにしてくれるだろう。



 俺が出来ない分まで。


 俺が与えてあげられない分まで。



 水門なら・・・。






 俺はスマホを取り出して、電話帳を開いた。



 そこに書いてある、浦川美波の名前を、消した。



 今でも好きだぞ、モモ。


 この先も愛しているからな、美波。





 でも、そろそろ俺も前に進まねぇとな。






―――『頑張って、リュウ』







 幸菜、ありがとう。


 俺の好きな人になってくれて。







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