2人のユウト




☆幸菜side☆



 私は全速力で4組へ向かった。


 休み時間のため、廊下には4組らしき不良さんたちがたくさん。



 でも、こんなことでビビらないで、4組へ向かう。



「・・・あれ?」



 ふと聞こえた声。


 目の前に揃って現れる不良さんたち。



 先頭に立つのは、寺内遼平と上田風真だ。



 懐かし―!お久しぶりでーす!



 なんて挨拶はしないけど。



「幽霊じゃん」



「幽霊じゃありません。
日下幸菜と申します」



 反論した私に驚く不良さんたち。



「こんな所で油売る暇はありません。
通してくれませんか?」



「は?何俺たちに指図してんの?」


「指図じゃありません。
お願いしているんです」



 指図とお願いは全くの別物ですよー?





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