2人のユウト




「失礼します!
2年2組の日下幸菜です!
2年4組の担任の先生、いらっしゃいませんか!?」


 息が荒いけど、頑張って大声を出す。


 まさか4組担任が職員室の1番奥に座っているなんてね。


 頑張って大声出さないと、聞こえないほどの距離。


 もう1つ扉を後ろに作ってよー。


 前だけじゃ不便すぎるよ!



「ん?どうしたのかな?
僕が4組の担任だけど」


 現れたのは、明るい茶髪の先生。


 こんな気弱そうな口調で大丈夫なのかな?


 不良たちになめられそうだけど?



 まぁいいや、関係ないし。




「あの、水門くん、水門優斗くんについてお聞きしたいのですが!」



「水門くん?
へぇ、彼に知り合いいたんだ。
いつも勉強ばかりの大人しい生徒だからね。
僕も教師として心配していたんだ」



 そんなことどーでもいいわ!




「水門くん、もう学校には来ないよ。
校長曰(いわ)く、アメリカに行くらしいんだ。
確か、今日3時の飛行機だったかな?」




 アメリカ!?


 美夏や水門くんのご両親が住んでいるところじゃない!







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