2人のユウト




「どうしてですか!いきなりすぎじゃありませんか!?」


「僕も詳しいことはわからないんだ。
詳しく知りたかったら、校長の所行きな」


「はい!そーします!」



 私はダッシュで校長室へ向かう。


 滅多に会わない校長先生。


 少し、怖いかも。



コンコンコンッ



 2回だとトイレになってしまうため、3回ノックした後、校長室に入る。



「失礼します。
2年2組の日下幸菜です」


 校長先生らしい椅子に座っていたのは、白髪をオールバックにして眼鏡をかけている厳しそうなおじさんだ。



「・・・何の用だね?」



「突然ごめんなさい。手短に済ませます」



 校長室に取りつけられている掛け時計の時刻は、もうすぐ2時。


 早くしないと、間に合わない。



「私、水門くんの、あなたの息子さん、優斗くんと友達なんです。
それで、どこへ行ったのか行方を知りたいのですが・・・」



 恥ずかし、優斗くんなんて。



「君には関係のないことだ。
話は終わった、出て行きなさい。
わたしにはまだ仕事が残っていて忙しいんだ」



 呆気なく追い返されそうになる私。






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