2人のユウト




 だから優斗くん、アメリカに行ったの?


 私に何も伝えないで?



「その手紙は、優斗の実の父親で、わたしの高校時代の友人からの手紙だ」



 優斗くんの実の父親って、舞原財閥の社長さん?


 めっちゃ偉い人の手紙読んじゃった。



「手紙に書かれた研究所というのは、わたしや優斗の父親が昔世話になった所で、設備も最新のものを導入しており、優斗の頭脳を活かすにはもってこいだ。
だが、忙しくなるだろう。
自由を奪われ、束縛され、四六時中監視の下で過ごす。
折角出したデータを盗まれないよう、監視が厳しいからな。

しかし優斗はそれを受け入れた。
自由を失うかもしれないのに、だ。

わたしも明人も、優斗の決めたことに従うつもりだ。
だから、第三者である君に邪魔されたくないのだよ。

わかったのなら出て行きなさい」



 私は一礼して、部屋を出て行く。






 納得出来るわけないじゃん。



 私はそのまま学校を出て、空港へ向かう。


 何も知らないまま行かれると、困るんだよね!


 わからないままだと、私いつか寝不足で倒れるよ!






 もう1度、言いたいの。






 あなたが好きですって。






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